山本 順二

定価: ¥ 2,100
販売価格: ¥ 2,100
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おすすめ度:

発売日: 2005-11
発売元: 彩流社
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漱石の転職―運命を変えた四十歳を読まれた方っていらっしゃいますか?
意外に読まれた方が少ない一冊なんですね。この書籍は。。
結構、評判なのに関わらず意外に読まれていない。
不思議ではありますが、これこそまさに隠された名著たる所以なのでしょう。
漱石の転職―運命を変えた四十歳は真面目な話、すぐにでも読まれることをお薦めします。
経験的にはこういう不思議な境遇の書籍は次第に入手困難になりますから。
漱石の転職―運命を変えた四十歳に関するレビューも少なめですね。
もっともっと多くのレビューが存在していても納得の一冊です。
明快漱石論
夏目漱石論は数々あれど、近年まれにみる分析の行き届いた一冊である。まず何より、その規矩正しい文章に目を瞠らされる。履歴を見れば、元・朝日新聞記者という履歴からさもありなん、と頷かされるが、かといって漱石の遠い後輩により物されたこの本にとっつきにくさなど微塵もなく、どころか平易かつ平明なスタイルは終始変わらない。そのくせ立派な「文学評論」たるスタンスを守っているところがいかにも心憎く、その意味でも一読の価値があろうというものである。この種の諸作物が日の目を見るまでには、取り上げる人物の作品自体はもとより、先達の残した資料を渉猟したうえで時に主観の味付けをほどこしながら完成に導かれるものであろうことは想像に難くないが、一読するに著者はこれまでよほど広範にそれら資料を読み込み、ただ読むだけでなく、そこに書かれてある事柄を自分の血にも肉にもできる、稀有なセンスの持ち主なのではと思わせる。ジャンルは違うが、かつて司馬遼太郎が自分の書く大村益次郎以外の大村益次郎を私は信じない、と言ったあのセンスにも似たものを感じる、そんな体裁になっている。ただ一点、強いて異義申し立てをするなら、このタイトルである。おそらくは編集者がつけたのでは、と勘ぐらせる安易な表題からは、世間は文豪のライフスタイルにかこつけた中年サラリーマン向けの処世訓じみた浅はかな内容をしか連想しないのではないか。内容の充実さに比べ、この一点がどうにもこの作品にケチをつけているように感じられてならず、一抹の「もったいなさ」の憾みが遺るのはいかんともしがたい。ここに繰り返す。これは厳然たる「夏目漱石論」である。
